Company 190 Cellvine

katouseiji2008-08-22



Cellvine
Wireless infrastructure


 2008 年 8 月 22 日付けの、日経産業新聞で、携帯キャリア大手がヘビーユーザーのパケットを制限するというような記事があった。3G のインフラを再構築し、LTE 向けの対応に遅れをとったキャリアなどにとっては、現在の 3 G 普及網だけへ投資をするわけにはいかないようだ。


 ただ皮肉にも、ヘビーユーザがいてトラフィックが増えるからこそ、通信事業者が追い込まれ、次の技術がひねり出てくるような気もする。アンテナを立てているだけでは、次の技術は生まれてこない。今日紹介するのは、ワイヤレスソリューションを扱う Cellvine 社である。Cellvine 社のソリューションは、3.5 GHz 帯の超音波を使い、様々な通信規格の無線信号を高めることができる。


 通信インフラを扱う事業者にとっては、ネットワークの安定性とコスト管理は、取り組むべき問題の一つである。Cellvine 社のソリューションは、2 G 〜 3.5 G など比較的広範囲なネットワークと技術にも最適化される。


 通信する事業者側が、「2Gだ!3Gだ!4Gだ!!!」といくら騒いだところで、1ユーザにとっては、音楽が聞け、ゲームができ、メールが読め、通話ができればいいというのが、一般ユーザーの本音だと思う。そこを事業者側の事情により、投資コストが回収できないからというような理由で、サービスを停止してしまうのは、何とも不都合な話だ。


 といっても、通信インフラには、研究開発費から構築を含めて莫大のコストがかかる。そのことをユーザは知らないし、むしろ知ろうとするほうが、不自然だ。そこにどんな技術が使われ、どれだけのコストがかかっているかはユーザにとっては、一切関係ない。


そういった状況で、「既存の技術でどうクオリティを高めるか」と考えることも、「とりあえずアンテナを立てていこう」とするのも、どちらも方法論としては間違いではないだろう。現実を考えると、通信に限っては、イスラエルが得意とする前者だと思う。「増やす」というのは、コスト、土地、費用対効果、などの面で限界が来てしまう。


 こうした背景もあり、仕様、理論を超えた技術の繋ぎこみというのは、どうやらしばらくは、イノベーションを起こす一つの切り口であり続ける気がする。。


設立者は、Yoni Schiff氏。

( 2008 年 8 月 22 日 )
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Company 189 SeamBI

katouseiji2008-08-21



SeamBI
ad technologies


広告というのは、特定の人へ向けたメッセージだと思っている。今日紹介するSeamBI 社は、そんな事の実現させてくれるのかと、一瞬思わせてくれそうなの広告ソリューションを提供している。「Dynamic Product Placement」 というような言い方をしているが、どうやら、動画や映像などにあらゆる広告効果を追加することができる。地域毎や、タイミングといった使い方だけでなく、動画の中のスペースであれば、広告を挿入することが可能である。


デモを見る限りでは、映像コンテンツであれば、おそらく何にでも OK だ。HP TOP からデモを見るのが早い。TOP


私は、マーケの専門家でなければ、広告の専門家でもないので、大したアイデアが出ないが、広告配信側が自由にカスタマイズできるようである。


どう挿入するかという事に関しては、技術的に詳しくはわからないが、SeamBI 社は目に見えない専用緑のスクリーンをことによって、どうスクリーン上を編集するプログラムの範囲内であれば、その画面上で、ほかの編集ソフトや、グラフィックソフトを一切使わずに広告を挿入できるようだ。


きわめて情報が少ない。販促用、スポット広告、地域別などいろいろな展開ができそうなものだが、デジタルサイネージ 、オンラインゲームなどへの展開を考えると、まだまだ使い方は多くありそうだ。


設立は、2005 年。イスラエルに R&D センターを置き、米国とドイツにオフィスを構える。


SeamBI とは、Seamless Brand Integration の略のようだ。


( 2008 年 8 月 21 日 )
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Company 188 LabPixies

katouseiji2008-08-20



LabPixies
Internet Application / Gadgets


技術やアウトプットがまったく同じでも、普及するものと普及しないものの違いは何か?どうして、数ある技術の中で特定の者だけの技術が、普及していくのか?そんな疑問はさておき、今日紹介するのは、LabPixies 社である。


なぜこんな疑問をあげたかというと、LabPixies 社は、わずか 10 人ほどのイスラエルのスタートアップ企業であるにもかかわらず、iGoogleMicrosoftLive.com などの Gadgets を数多くサポートしている。、ゲーム、カレンダー、Todoリスト、地図、時計、天気予報、数独、計算機、音楽プレーヤーなど上げればきりがないが、どうやら数限りない Gadgets をサポートしているようである。


LabPixies 社の CEO の Ran Ben Yair 氏によると、LabPixies has built a successful business out of creating custom Google Gadgets. で下記のように述べており、


"we saw that most methods of distribution were not mainstream enough - even RSS. Gadgets are easy to install and easy to use, with no technical knowledge necessary, so they work very well as a distribution platform."


どうやら Gadgets に注力した理由は、上記にあるとおり、Gadgets は次のプラットフォームになると考えているようで、まさに彼らは、 Gadgets 市場を牽引してきた一プレーヤーであろう。発想や問題意識もなく、他人が生み出したものだけを、真似ていてはどうしても限界がある。


2008 年 Red Herring Europe 100 に イスラエルのスタートアップは、14 社ほど今年選ばれているが、そのうちの 1 社オンライン・コミュニティを構築のプラットフォームを提供する Conduit 社と提携しており、こうしたことも Gadgets の展開を加速させていいる要因の一つだろう。


「これを、モバイルでできる会社があるか」と思うが、その会社もイスラエルから生まれてきそうな気がする。Flixwagon とか。


設立は 2006 年の 3 月。ちなみに、W3C の Web Application Formats Working Group から Widgets 1.0 のワーキングドラフトが発表されたのが、2006 年である。(from Wiki ) CEO の Ran Ben Yair 氏は、 Samsung Telecom Research Israel の出身。Samsung は、1997 年イスラエルの Herzliya にオフィスを開いている。


( 2008 年 8 月 20 日 )
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Company 187 InPhoDrive

katouseiji2008-08-19



InPhoDrive
Wireless Application


Inphodrive focuses on developing innovative solutions related to verbal access to information.


インターネットをサーフするときは、ブラウザ上でマウスを使ったり、キーボードを打ち込んだりするのが、当たり前だ。そんな事を車の運転中にするのは、危険すぎる。だから、多くの国で、運転中の携帯電話の使用が法律で制限されるのも、ごくごく当たり前の話だ。


今日紹介するのは、 InPhoDrive 社は、インターネット上を声を使い、サーフするブラウザを開発している。当たり前の危険から回避するために、現在のインターネット上でのユーザの動作を、視覚依存から、音声中心の動作を果敢に試みている会社である。


車の運転時の利用を期待している InPhoDrive の HP であるが、意外と多くの場面で使われる機会がありそうだ。Contact



詳細


(ごく当たり前のことである…)人間は、両手がふさがった状況では、口を使ったり、足を使ったりするが、電子機器となると、やはりどちらかの手を使うしかないのが現状だ。「そもそも、運転中にあんなに小さなボタンを使い操作するのは無理だ。」というところから、であれば、「声でやってしまえ!」という発想からきているようである。


テキストの音声入力などと同じで、話し言葉の分析と複製には最新のアルゴリズムを用いた音声認識技術を使用。不謹慎であるが、車メーカが喉から手が出るほしい技術を実現している会社。


設立は 2007 年。CEO は Mark Heifets 氏。


( 2008 年 8 月 17 日 )
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Company 186 Peer39

katouseiji2008-08-18



Peer39
advertising technologies
semantic


Peer39 社を、初めて知ったのは、2007 年 8 月のちょうど 1 年ぐらい前である。そのときは何の会社であるのかはわからなかったが、ようやく実体がわかるようになってきた。イスラエルは、Stealth Mode のスタートアップが、多く存在する。Peer39 社は、セマンティック広告技術で注目されはじめている会社である。私も含め、100 人中 99 人は、恐らく何のことかわからないだろう。


簡単に説明すると、現在の HTML ベースで作られたページでは文書構造を伝えることは可能だが、個々の単語の意味をはじめとする詳細な意味を伝えることはできない。セマンティック技術と言われる XML などの技術を用いて、意味を付与していく。データ交換以上に、感情や意味の疎通を付け加わるが、このセマンティックという概念である。


参照:セマンティックウェブ (from Wiki)


設立は 2006 年。CEO は、Amiad Solomon氏。CTO は、Reuters ( ロイター ) に買収 された テキスト分析企業 ClearForest でも R&D の経験を持ち、Nielsen Online で R&D 部門で VP を努めた Jonathan Schler 氏。 AOL に買収された行動分析型ターゲット広告の Tacoda から Matthew Goldstein 氏。行動ターケティング広告主要企業出身者で固められている。


本社は 米国 NY に置きながらも、多くのグローバルテクノロジーカンパニーがそうするのと同様に、R & D の拠点はイスラエルに設けている。


こうした出身者で固められ、成果が出始めていることが、注目を浴び始めている理由である。ただ、一般の人にとってはまず、「こんなところにこんな広告あり得ないよね」ということがなくなっていくのだろう。


技術的に詳しい説明はこちらを参照:Peer39およびそのセマンティック広告技術の分析


( 2008 年 8 月 17 日 )
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Company 185 Percello

katouseiji2008-08-17



Percello
fabless semiconductor


世界的に 3G が普及し始めている。3G が普及する条件というのは、技術的にもいろいろある。政府の認可、費用対効果、携帯端末の普及状況等、莫大な資金を投入しようがどれほどインフラが整おうが、技術的に整備されようが、普及しないことが多い。ごくごく当然の話であるが、3G 端末が普及しても、3G 上でビジネスを行うことができるようにはならない。


今回紹介するのは、Percello 社である。UMTS フェムトセルバックホールアーキテクトカンパニーである。(HPの会社紹介の直訳)


簡単に説明すると、 3G 以降の HSDPA / HSUPA / HSPA+ / LTE といった今後、通信環境下をを支える技術の一つになる フェムトセル (femtocell) 市場周辺に向けて、低電力下で高いパフォーマンスを実現するデジタルベースのプロセッサーの SoC 化に成功している。


詳しく知りたい方は、こちら



WirelessnetDesignline が報じているところによると、2009年前半ごろから同社のチップが市場に大量投入され始めるようである。


こうした技術、半導体、ソリューションなどが組み合わさり、市場に投入されていくことによって、3G 上での具体的なビジネスが構築可能になっていくのだろう。


Percello 社は LSI、通信業界でキャリアを積んだ、CEO の Shlomo Gadot氏、R&D 部門 VP Rafy Carmon氏 PM部門 VPの Yoav Volloch 氏の 3 氏によって 2007 年に共同設立された会社である。


Siano といい、Discretix といい、RedBend といい、モバイル業界の世界展開をする会社がよくもまぁポンポンと生まれてくるものだ。恐らく、世界展開をしている会社から、技術的な需要や情報収集を行うことで、次の世界展開をする会社が、また生まれてくるのであろう。


Source:Israeli startup targets femtocell baseband
参照:Percello HPより


( 2008 年 8 月 16 日 )
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Company 184 LogiaMobile

katouseiji2008-08-16



LogiaMobile
Mobile Contents Solution


本日紹介する LogiaMobile 社は、世界的に有名なモバイルコンテンツのソリューションを提供する。マーケティングから、CMS、アプリケーションまで、テクノロジーのプラットフォームを含んだコンテンツソリューションを提供する。


主に、モバイルビデオのSNS動画共有サイト、Web/WAP/HTML のプラットフォームなど 3G普及に伴った、動画の CGM などを管理する際、 LogiaMobile 社のソリューションが提供されている。


少なくとも、日本は世界のどの地域よりも、モバイル先進国である。ただ、日本以外のモバイル ISP にとっても、携帯電話の加入者が頭打ちが予想される今後、APRU をあげることは、効率的に行いたいものだ。


LogiaMobile 社は、動画配信環境下における配信、コンテンツ管理、マーケティングを行うためのトータルソリューションを提供することで、モバイル ISP にとって、APRU をあげれるだろうとしている。


設立は 2004 年。今後、世界的に携帯向けコンテンツの市場拡大が見込まれているが、(下記リンク参照)それに伴い、動画関連市場の拡大も予想され、こうしたソリューションの需要は、ますます高まるであろう。


Forecast: Mobile content and services $150B by 2011


個人的には、コンテンツホルダーよりも、ソリューションかプラットフォーム側の方が強くなってくる気がしている。簡単な話、コンテンツは、代わりのキラーコンテンツを持ってこれるが、独自のソリューションの場合、その技術がない場合は、ビジネスそのものが成り立たなかったりする可能性が大いにある。


技術的に優れているのかということと、ビジネスを行える技術であるのかということは、別の次元である。


iPhone等に関しても、UIの開発などをやる会社は一時的に儲かると思う。ただやはり、iPhoneというプラットフォームに向け、プラットフォームを提供する会社側 or 技術に主導権が移っていくと思う。


キラーコンテンツを持っていれば、儲かるというのは、そもそも、テレビ等のマスメディア時代の一方向から大量に流し続ける時代の構造である。


この流れは、もはや終わりに近づき、コンテンツだけでなく、技術的にも双方向での通信が可能になったことで、コンテンツを流すだけでなく、コンテンツをどう生成するか、管理するか、課金するか、リアルのメディアに繋げていくのか、が今後のビジネスの主流となっていくと予想している。


( 2008 年 8 月 16 日 )
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