Cisco in Israel 1


Cisco in Israel


Oracle と同様にイスラエルでの Cisco の活動を調べようと思ったら、大変興味深い記事を発見してしまったので、ご紹介します。


マイコミジャーナル 【特集】ネットワークの巨人 CISCO −買収に賭けるその野望
http://journal.mycom.co.jp/special/2007/cisco/001.html
( 大変示唆に富む記事なので、M&A や 成長戦略を考えている方には、一読をお勧めします。 )


「(上記記事より引用)・・・前略


業容拡大のための買収にも 2 種類あり、すでに市場である程度以上のシェアを確保している企業を買収するケースと、会社の規模としては小さいものの、光る原石 ( 技術 ) を抱えている企業を買収するケースが考えられる。買収資金でいえば前者のほうが負担が大きく、後者は比較的少ない。一方で市場への製品展開の速度は前者のほうが早く、後者は必然と遅くなる。


Ciscoの例でいえば、両者を組み合わせるタイプの買収であり、小さな買収を繰り返して自社製品の強化と基礎体力作りに励み、主要技術の獲得や新規市場の参入では大型買収を行うという、緩急を使い分けるやり方を実践している。同様に小口と大口の買収を交互に繰り返して基礎体力作りと大胆な市場拡大を両立する企業として、IBMMicrosoftOracle などの名前が挙げられる。


続く・・・。」


「個々の買収の一報のみを聞く限りでは一貫性のない企業戦略のようにも見えるが、その実は市場拡大に向けた下準備であることがよくわかる。」


まさに、そのとおり。


言い得て妙。私が言いたいことを実にうまくまとめてくれている。感涙。要するに M&A の戦略をどうやって具体的にとるのかということを、多くの企業が問題として抱えている。Cisco は この M&A 分野で成功している世界的な会社の一つであることは確かだ。また、OracleIBM、辺りは実際のところの買収企業や、買収額を全て公開していない。報道されるのは、氏の言うすでに市場である程度以上のシェアを確保している企業を買収するケースがほとんどだろう。


氏の分析も的確である。買収戦略を一貫して伝え切れない現在のネットメディア、マスメディアの弱点。また、この分野での日本企業の苦しい買収戦略が、成長戦略の弱点を物語っているかもしれない。


Ciscoイスラエルでの活動は、1997年に R&D センターをイスラエルに開いた。その後CiscoM&A 戦略のひとつとして、その後イスラエル企業の M&A を加速させている。この辺りは、氏が 2002 年意向の買収企業を調査している。


Cisco の買収企業の一覧


「近年の Cisco の買収企業の一覧 ( 私がやろうと思っていたことを先にやられてしまった。 ) を見ていると、こうした Emerging Technology やセキュリティなど、次世代の中核ビジネスとなる技術の買収が非常に目立つが、SpansLogicNetworks 買収のように、従来のコアであるルータ/スイッチ技術の強化も引き続き行われていることがわかる。同社では新規ビジネスを育てつつ、高速バックボーンが必要とされるネットワークの基幹技術でも、引き続き投資を行うことで次世代製品の開発を影で進めているのだ。」


M&A 戦略のバランスのよさを見せている。ここまで考え、忠実に実行していると、この分野では日本企業は太刀打ちできないだろう。IT、通信以外の分野、モバイル、環境技術、ライフサイエンスといったところで、


分野は違えど同じ戦略をアジア地域を中心としたところで、どうアレンジしていくのか?


ということになってくるのだろうか。


Cisco in Israel 2 以降では、私なりの視点を加え、イスラエルでの Cisco の活動などを調べていく予定。


Oracle in Israel
Oracle in Israel 1
Oracle in Israel 2
Oracle in Israel 3


( 2007年 11 月 17 日 )
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