イスラエルの灌漑技術 1


イスラエルの灌漑技術
Cleantech / Irrigation


灌漑技術は明らかに農業技術からの派生であろう。
ただ、それを支えてきて、農業と彼らの得意分野の IT、通信などのハイテクと組み合わせてきた背景があるようだ。従来農業技術だったものに、全く違う環境技術という、新しい一つのコンセプトを与えることで、世間の考え方も変わり、PR の方法も変え、注目を集めることができる。いかにも彼ららしいやり方だ。実際にやっていることはそれほど大きく変わらないはずだ。


今年の夏、前イスラエル経済公使 Eli Cohen 氏にお会いした時におっしゃっていたことだが、イスラエルの水技術の代表的なものの一つとして、木の根の水分(水分保有量をウォッチし、その水分量が減ると、水が供給されるシステムらしい。)を把握する、水のドリッピング技術である。この技術の導入により、死海から紅海へ注ぐヨルダン川西岸の砂漠地域が、森林地域に昨今変わった経緯がある。農業技術を、木を植えるために使っただけだともいえる。点滴漑水というらしい。参考: Netafim社 点滴漑水


主なイスラエルの灌漑企業としては、1962 年に設立、世界 66 カ国に拠点を持つAmiad Filtration 、1965 年に設立され、世界各国に拠点を持つ BerMadキブツ内に本社があり、コンピュータ制御の灌漑技術を持つ Galconキブツ内に本社があり、葉の厚みや、水分濃度がわかるセンサーと灌漑システムを結びつけたLeafsen Irrigation ( HP でデモが見れる。) 、1937 年の会社設立後、灌漑技術、農業技術の蓄積があるNaanDan、40年以上の経験を蓄積し、日本法人(ネタフィムジャパン)も持つ、Netafim、こちらも日本法人があるPlastro。やはり水という特性上からか、運営機関が長く、公的な会社が目立つ。日本法人がある会社は、日本法人の HP の説明のほうがわかりやすいです。


不自然なタイミングに不都合な真実が放映された。あの映画が放映されたからといって、何一つ地球環境は変わるわけでもない。知っている人からすれば、今更何を。という話だろう。ただ、与えたインパクトは大きい。シリコン・バレー系 VC の KPCB ( Wiki KPCB ) が、アル・ゴア氏をパートナーに迎え、環境系の VB に投資するという報道がされている。が、出来レース的な感は否めない。


イスラエルで、環境技術がこれほど取り立たされてきた背景には、彼らはこの分野への投資を煽りたい背景があると同時に、地球温暖化の問題というのは、環境技術が投資対象となり得るのは、農業、エネルギー、発展途上国外交問題等の多くの要素を含んでいるのを熟知しているからでもある。
Watec Israel 2007
Why WATEC ?


にしても、表に現れてこないだけだと思うのだが、IT ( 通信・ソフトウェア) 以外の情報というのはどうしても、インターネット上に少ないと思うのは私だけか。


( 2007年 11 月 17 日 )
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