イスラエル VC の現状 2007_6(2007年総括)


イスラエル VC の現状 2007_6


・・・続き、Efrat Zakai 氏はコメントしている。
それは見ればわかるので、少しは分析してもらいたいものだ。Internet 分野は、全投資額の 15%、半導体は 19 %である。通信が21%、LSが20%と考えるとに高い水準であることがわかる。(後は環境かな?)


 投資総額に注目しても意味がないのは、誰が ( どの企業が ) どの段階のどういう企業へいつ投資するのかということを考えないと意味がないからである。投資総額はその結果に過ぎない。個人的に、OracleGoogleIntel などがイスラエルのスタートアップ企業を買収する額は、統計的に投資額に入れて見ている。


 2007 年注目されたのは、確かにインターネット、半導体分野でであるようだがが、お得意の通信産業を、mobile へ注力するような動きが背景にあると思う。理由は簡単なことで、そういった記事が2007年の後半以降は特に目立った。


  • CSK Venture Capital が Horizon Semiconductor への投資

  • http://d.hatena.ne.jp/katouseiji/20071223


  • Emblaze Mobile teams with Sharp, Access on new device

  • http://d.hatena.ne.jp/katouseiji/20061216


  • Gigalinx in Hitachi Kokusai Electric Inc.

  • http://d.hatena.ne.jp/katouseiji/20061222


  • Siano がモバイルテレビ用のソリューションを China Mobile へ提供

  • http://trgvega.cocolog-nifty.com/trg/2007/12/sianotv_bf5c.html


    など、日本、アジアとのつながりを見てもやはりこの分野の大型の提携などが多い。Mobile 分野で日本は、世界の中でもかなり先行しているが、半導体技術の優れているイスラエルの企業と協力していく大勢となっているのは、喜ばしいことだと思っている。きっと、日本のモバイル業界全体をいい方向へ向かわせてくれる。

     
     話は変わり投資ステージごとの投資を見ると、2007 年 Seed 段階 ( いわゆる本当のスタートアップ企業 )への投資総額は、2001 年以降密かに、最大の水準となっている。全ての企業の投資動向を追っているのではないので定かではないが、環境分野へのスタートアップ企業が盛んだと感じる。2007年、あまり聞いたことがない、環境関連のスタートアップ企業が投資を受けた記事をよく見かけたからだ。2008 年に入ってからも、その傾向は続いていると思う。


     いろいろなところへ投資しながら、基本的戦略の根幹は崩さないのは、イスラエルらしい実にしたたかな戦略だと、改めて感心する。2008 年は、彼らが投資した結果を見るのではなく、これから何に注目し、投資していくかを見ていきたい。


    ( 2008年 1 月 19 日 )
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